誰かさんにボロボロにされてしまったけれど、ブログ文化はきっと蘇る

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鉄塔の写真を撮るのが好きになった。
最近のカメラは優秀だから、f値やらISOやらに対する認識があやふやでも、簡単な設定でそれなりの写真を写してくれる。

鉄塔の何が好きかと問われたなら、無機物の王様みたいな姿格好をしているのにも関わらず、その先に人の暮らしを感じさせてくれるところと答える。
遠くまで電気を届けて、それが遠くの街で明かりになっている。そんなところが好きだ。

夕刻。
鉄塔の下で、喜怒哀楽のいずれにも属さない朦朧とした思いを、どうしたらいいのか思案に暮れる。
この鉄塔のずっとずっとずっと向こう、無数の明かりの下に、私と同じように色々な思いを抱えた幾千幾万の人たちが暮らしている。

 

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ここのところ、ブログを書けずにいた。気力が湧かなかったのが大きな要因。
それと、「ブログはオワコン」とか言っちゃう人がいたものだから、なんだか複雑な気分になっていた、というのも理由のひとつにしておこう。

「ブログがオワコン」という発言をした人物はインターネットの有名人だから、ここで個人名を書くことは控える。
彼によって、ブログで収益を得られることが広く知られるようになった。
そのことに関しては、病気などが原因でどうしても外に出て働けない事情のある人にとって、うまく立ち回ればブログだけで生活ができるという事実は福音になったはずだ。その点においては彼を最大限に評価しなければならないと思う。

ただ、今や功罪の罪のほうが大きくなってしまった。
彼の通った道の後に、雨後の筍みたいに発生した収益第一のブロガーたちによって、ブログ本来の意味は薄れてしまった。

○○の本名は? 出身は? 年収は? 恋人は? ……そんなものはゴシップ雑誌に任せておけばいい。
Amazonプライムがお得な○個の理由 ……そんなものは通販サイトに任せておけばいい。
サラリーマンはオワコン! ブログを書いて自由になろう! ……サラリーマンがオワコンなら、世の中の多くの事柄がそのオワコンに支えられている事実をどう説明するのだろう。

Googleアルゴリズムを攻略するために、大量生産される記事。
それらのほとんどが、味噌と具と出汁の入っていない味噌汁のような記事。
本当に役立つ情報が欲しい人にとって、それらはノイズにしかならない。
そんな現状を鑑みたGoogleアルゴリズムを変更する。
多くのノイズが、インターネットから消え去る。
そんなアルゴリズム変更でPVが減少した彼はこう言った。
「ブログはオワコン」と。

間違いなく、彼はブログで今の地位までのし上がった。
自分を今の地位に育ててくれたブログ、それをオワコンだと言う。
ブログに対する敬意はどうした……なんてことを言える立場じゃないけれど、オワコンなんて物言い、なんだか寂しいじゃないか。

でも、こんなふうに思ったりもする。
彼のような手法を使う人々が退場してくれれば、ブログは復興するのでは。
確かに彼の言う通り、これからはYouTubeの時代なのかもしれない。それに対して反論するつもりはないけれど、彼とそのフォロワーがブログから退場してくれるのなら、ブログがその本来のありかたに戻れるのでは……そう思えてならない。

たまたま入った食堂のチャーハンが、びっくりするほど美味かった。
仲の良かった友達が、8年ぶりに連絡をくれた。
ふいに「頑張ったね」と言われたら、なんだか泣けてしまった。
雨上がりの虹が、やけにきれいだった。

ブログの本来のありかたは、きっとこんな感じのはずだ。
こんな感じでいいはずなんだ。
誰かさんがボロボロにしてしまったけれど、きっと元の姿に戻ると思うんだ。
私の言葉は、おそらく何百万何千万もの人には届かないだろう。けれど、それでいいんだ。
極論だけれど、私が綴るあれこれは、だれかひとりの心に刺さってくれれば、それで本望だ。

やり直そう。立ち返ろう。思いを綴ろう。あなた自身の声を届けよう。
だから。
この鉄塔の向こうに住んでいるあなたたちが抱える、たくさんの思いを解き放ってほしい。
あなたの綴るあれこれは、きっと世界のどこかで、誰かが必要としているはずだから。
私も、せいぜい頑張るから。

 

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夕刻。
鉄塔の下で、喜怒哀楽のいずれにも属さない朦朧とした思いを、どんなかたちで綴ろうか考えを巡らせる。
この鉄塔のずっとずっとずっと向こう、無数の明かりの下に、私と同じように色々な思いを抱えた幾千幾万の人たちが暮らしている。

わたしのこえが、きこえていますか?
あなたのこえを、きいてみたいよ。